中古の介護用ベッドを販売・購入される皆様へ
ごあいさつ
2007年の消費生活用製品安全法改正後、医療・介護ベッド関連で月一件の割合で重症・死亡といった重大事故が報告されていることを受け、経済産業省主導のもと、緊急課題として2009年春に在宅用電動介護用ベッド及び病院用ベッドのJIS規格が改正されました。
現在、介護ベッドに関して各医療・介護ベッドメーカーでは、この改正されたJIS規格の認証を受けた介護ベッドを販売し、また、当協議会としても注意喚起パンフレット「介護ベッドここが危ない!!」を70万部配布するなどの安全活動を行っています。
しかしながら、JIS規格が改正される前の介護ベッドにおいて、依然として重大事故が発生しており、その事故の約7割は2本のサイドレールの間など、サイドレール周りのすき間で起きています。
また、近年、中古の介護用ベッドが多く市場で取引されるようになってきております。状態の良い介護用ベッドを中古品として再活用することは、資源の有効活用につながるものであり、業界としても否定するものではありませんが、ご利用者の心身の状態や使用環境等によっては、前述のような重大事故につながることが懸念されます。また、既に製造・販売を終了している介護ベッドの場合、適切なメンテナンスや補修を受けられず、危険な状態のまま使用されるケースも考えられます。
この様な状況を踏まえ、中古の介護用ベッドを販売・購入される前には、下記事項のご確認をお願い申し上げます。事故撲滅のためのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。
- 2012年6月6日、厚生労働省と経済産業省より、「医療・介護ベッド用サイドレールなどのすき間に頭や首、手などを挟む事故等の未然防止のための安全点検について」が通知されております。その中では、「事故を未然に防ぐには、医療・介護ベッドの不適切な使用状況やサイドレール等の過度なすき間の有無を確認し、適切な使用方法の徹底やすき間を埋めるなどの措置を講ずることや安全対策が強化された新JIS対応のベッドを使用していただくことが重要です。」と記載されています。
また、2012年11月2日には、消費者庁より「医療・介護ベッド使用にかかる注意喚起の周知度調査の結果及び対策について」が通知されました。その中では、各福祉用具貸与事業者に対し、「介護ベッドに係わる事故の危険性及び対応策について、速やかに介護者に対して説明すること。また、貸与時もしくはモニタリング時にも、当該危険性及び対応策について必ず伝える」旨の緊急依頼がなされています。
医療・介護ベッドを販売・購入される際には、サイドレール周りに頭や首が挟まるようなすき間がないかの確認を行ってください。危険なすき間がある場合は、ベッドメーカーに問い合わせ、簡易部品を取付けるなど安全対策したものを販売・購入するか、クッションなどですき間を埋めて使用して下さい。
(簡易対応部品を供給しているベッドメーカーもあります。)※すき間については、当協議会のホームページにある「介護ベッドここが危ない!!」または「医療・介護ベッド安全点検チェック表」を参考にして下さい。
http://www.bed-anzen.org/use/index.html - ベッド本体とサイドレール、ベッド用グリップ(介助バー)は必ず同一メーカー製の物を販売・購入して下さい。
- 製造年月日から7-8年(メーカーにより異なる)以上を経過している場合、メーカーに修理パーツの有無を確認し、販売・購入して下さい。
- 金属部のサビ、亀裂、木部の劣化の有無、締結部の緩み、電動による動作など、安全・強度に関する確認を行って販売・購入して下さい。
- 電源ケーブルや電源プラグなどに破損変形がないか確認を行って販売・購入して下さい。
- 手元スイッチに破損変形がないか、またボタンから手を離すと直ちにボタンが戻ってベッドの動作が速やかに停止するか確認して販売・購入して下さい。
- メーカー作成の適切な取扱説明書を必ず添付して販売して下さい。